くりは果物?それとも野菜?理由は?

くり

「くり」はブナ科クリ属の落葉樹になる果実です。

細かくいうと落葉性果樹の、核果類。

落葉性果樹とは、「夏から冬の間に果実を実らせ、冬になった完全に葉を落とす樹木」で、核果類とは「果実の内側の皮が種子を包んで守っている果実」という事です。

果実なので正式には果物に分類されます。

農林水産省の資料や辞典を調べてみても「くり」は果物に分類されています。

それでは、果物と野菜の分類の違いは、どういうふうに決まるのでしょうか。

分類には二通りあって、一つは生物学上の分類にのっとったものです。

樹木に出来るものが「果実」、樹木に出来ないものが「野菜」とされています。

もう一つの分類方法は、食品としての分類で、何も調理しなくても甘みがあり、食べる事ができるものが「果実」で、調理、加工をしないと食べられないものが「野菜」の定義とされています。

この事により、「くり」は生物学上ですと、樹木に出来るものなので「果実」となるのですが、食品の分類では、鬼皮をむいてあく取りをし、加工しないと食べられないので「野菜」と分類されます。

しかし、一般的に「くり」はナッツ類と認識している人が多く、ナッツ類は「果物」に分類されるので一般的な認識からも「果物」であるといえます。

ただ、加工しないと食べられないという点から、スーパーなどでは野菜の売り場に置いてあるようです。

くりにはどんな種類があるの?

くり

「くり」の種類は多く、40種以上あるといわれています。

主な品種としては、筑波、丹沢、銀寄/丹波栗でそれぞれ日本におけるくりの生産量のトップ3を占めています。

筑波

岸根(がんね)と芳養玉(はやたま)を交雑させてできた実生から選抜育成された品種で、多収性と安定した品質の良さから現在では最も多く栽培されている栗です。

特徴としてはくりらしい形をしており、果頂部がやや尖り、先の周辺が粉を吹いたように白くなっているものが多く、果肉は淡黄色で甘みがあり、くりらしい香りも強いです。ゆで栗や渋皮煮に適しています。

丹沢

乙宗(おとむね)に大正早生(たいしょうわせ)を交配し出来た実生から選抜育成された品種で、シーズン中最も早くでまわる早生栗の代表品種で、筑波の次生産量の多いくりです。

特徴としてはやや大粒で表面の艶が鈍く光り裂果が多く、肉質は粉質で粘りがなく加熱するとホクホクになります。甘みと香りは優しく、利平などに比べると弱いです。

甘露煮やお菓子などにピッタリの品種です。

シルバーメール/ダンポー

江戸時代に広島から持ち帰った苗を能勢町に植えたのが発祥といわれています。

寛政の大飢饉の時に、このくりを売り歩いたところ、高値で当時の銀札が寄ってくるように売れた事から、この名前がついたといわれています。

銀寄は他のくりと比べてどっしりとへん平な形をしています。

表面は艶があり、底の部分との境界が太くくっきりしている傾向があります。

肉質は粉質でくりらしい風味とほんのり甘く、和栗らしい上品な味わいが特徴です。

くりの主な産地はどこで生産量は年間どれ位でなぜ特産なの?

くり

産地:茨城県

収穫量:4740t 全国の22%

年間の収穫量1位を誇る茨木県の栗は、主に笠間市・かすみがうら市・石岡市で生産されています。

茨城県で生産量が多い理由としては、年間を通して穏やかな気候ながら、盆地特有の昼夜の寒暖差のある気候や、保水性通気性に優れた花崗岩質の土壌や黒土を多く含む土壌はくりの栽培にとても適しており、近年では、「飯沼栗」などのブランド栗も認められ、品種改良なども積極的に取り組んでいる事も生産力向上の一要因となっています。

産地:熊本県

収穫量:3130t 全国の14%

年間の収穫量2位を誇る熊本県の栗は、主に山鹿市が主要な産地です。

山鹿市では、昭和30年代に国の農業構造改善事業等により約50haの集団栗園が形成されたのをきっかけに地域で生産安定技術の向上や集荷から選果及び出荷までの流通体制の確立などに取り組み、今では西日本一の生産量をほこる地域にまで成長しています。

産地:愛媛県

収穫量:2300t 全国の11%

年間の収穫量3位を誇る愛媛県の栗は、主に伊予市、西予市で生産されています。

愛媛で栗の主な産地となっている中山町一帯の中山間地は、結晶片岩、褐色性森林土壌、黄褐色性森林土壌が広がり、栗栽培としては恵まれた環境を備えています。

加えて降水量が1600ミリ前後と気候の面でも栗栽培に非常に適しており古くから盛んに栽培が行われていました。

栗の生産とともに栗の加工業も盛んで様々な栗の加工食品も生産されています。

利平栗(りへいぐり)幻のくりといわれている栗の主な生産地と生産量について

利平栗

利平栗は、日本産の品種大桑大粒と天津甘栗に用いられる中国栗とを掛け合わせて生み出された品種です。

岐阜県山県郡大桑村の土田氏が生み出した品種であることから、土田さんの屋号の「利平治」になぞって利平栗と名付けられたとされています。

利平栗の粒はふっくらと丸い形で、果頂部に産毛がたくさん見られます。

色は濃く艶があります。

鬼皮が固くむきにくいのですが、渋皮は比較的むきやすく、果肉は粉質で食感が良く、甘みがとても強く、栗本来の香りもしっかりあり、渋皮煮も絶品ですが、茹でるだけでもおいしいです。

別名「栗の王様」とも呼ばれています。

利平栗は他の品種に比べて一本あたりの収穫量が少なく、限られた環境でしか育たないため、栽培する農家が減り、年々生産量が大幅に減少しています。

一粒一粒も大きく、生産量も減少して言っている為“幻の栗”とも言われる大変貴重な栗です。

利平栗の主な生産地としては、生産量が最も多いのが埼玉県で全体の生産量の1/4を占めており、次いで、熊本県、東京都と続きます。現在では栗の木の管理が難しいこともあり、年々生産者は減少していますが全国各地で栽培されています。